インプラント手術は怖い?安全に向けた施策5選
名古屋市でインプラント治療を行う吉岡歯科医院 副院長の吉岡登史彰です。
インプラント治療は手術を伴う方法であり、「メスや麻酔を使うのが怖い」「手術中もさることながら手術後の痛み・腫れの程度が怖い」と感じる方が多いのではないでしょうか。
実際に手術や痛みへの怖さからインプラント治療に消極的になってしまう方もいます。
一方、インプラントは「自然に近い噛み合わせにしやすい」「見た目の美しさにも利便性にも優れている」など多くのメリットがある治療法であることも特徴です。
今回は、当院で実施している安全に向けた施策を紹介します。
気になる方は治療開始前に院内を見学いただくこともできるので、お気軽にご相談ください。
静脈鎮静法を使った手術
インプラント手術に対する恐怖感が強い方には、静脈鎮静法を使った手術にすることも可能です。
静脈鎮静法(=セデーション)とは、その名の通り静脈に鎮静剤を投与する方法であり、
手術中は歯科医師や麻酔科専門医が全身の状況を常に監視しながら状況をコントロールできるようになります。
痛みはほとんどなく、違和感も最小限に抑えられるので、極力リラックスした状態のまま手術を終えられるようになりました。
全身麻酔とは異なり、呼びかけに応じられる程度でありながら意識は少しぼんやりしていくので、
「完全に意識を手放してしまうのが怖い」という方にも向いています。
なお、状態鎮静法は安全性について何度も検証されてきた手法であり、現在は歯科治療のみならず内視検査などでも用いられることが増えています。
呼吸管理の必要がないこと、ストレスなどによる血圧の上昇や心臓への負担が抑えられるので身体的に安定した状態を保ちやすいことも
メリットとして注目されました。そのため、高血圧・心疾患・脳血管疾患の既往の方・心筋症・甲状腺機能亢進症・不整脈・ステロイド長期服用・
糖尿病・精神発達遅延があってもインプラントを治療の選択肢に加えられます。
手術中に実施する配慮
当院では、静脈鎮静法以外にも下記のような配慮を手術中に実施しています。
・極細の針を使う
・電動注入器でゆっくり麻酔を入れる
・麻酔薬はあらかじめ人肌に温めておく
・点滴による痛み止めの持続注入をする
注射針はなるべく細い方が痛みにくいとされているので、当院では33Gの極細注射針を使用します。
針が細くても十分な量の薬剤を安定して注入できるようになっているので、細さを心配する必要もありません。
また、注入時の違和感や痛みを軽減するために麻酔を人肌に温めたり、電動注入器を使ってゆっくり入れたりすることも徹底しています。
その間も痛み止めは点滴で持続注入していくので、麻酔や痛み止めが効かないまま手術が始まることもありません。
なお、手術後の痛みに対しては開腹手術後にも処方される強めの痛み止めを処方することも可能です。
手術後の痛みや腫れは少なからず生じますが、強力や痛み止めではなく一般的な歯科治療でも使う痛み止めのみで多くの場合対処できます。
また、痛みや腫れは1~5日程度で消失するので、大きな心配はしなくてよいでしょう。
どうしても不安な方や痛みが強くなっていく方は、いつでもご相談ください。
手術時間そのものを短縮
手術時間そのものを短縮しながら身体的・精神的な負担を軽減させるため、当院ではサージカルガイドの導入を完了させています。
サージカルガイドとは事前の治療計画の時点で集められた情報をもとに作成されたレジン性ガイドのことであり、サージカルテンプレートと呼ばれることもあります。
事前の検査・診察・治療計画に基づいて作成されたガイドなので、どの位置に、どの程度の深さ・角度でインプラント体を埋入すべきかが一目でわかります。
CT画像や3Dデータをもとにインプラント手術のシミュレーションをコンピューター上で実施しているので、実際の歯とのズレもありません。
当日はガイド通りに手術することで、所要時間を大幅に短縮できるようになりました。
なお、サージカルガイドの存在は事前に実施する患者様への説明の場でも大いに役立ちます。
自分の歯が今どんな状態なのか、いつ頃どのような治療が実施されるのか、治療後の歯がどうなるのかをシミュレーション画像で理解できるので、治療方針への納得度も高まるでしょう。
「よくわからないけど何かの治療をされている」という不透明感からくる怖さを払拭する要因にもなりますので、ぜひ一緒に事前シミュレーションしていきましょう。
インプラント以外の治療法のご提案やカウンセリング
インプラントは非常に優れた治療法ですが、必ずしも全員にインプラントをおすすめするわけではありません。
歯の状態・予算・生活習慣やどうしても怖くて決断できない、など状況は人それぞれです。
また、下記のような疑問にも丁寧に答えるため、カウンセリングの時間を長めに確保しているのも特徴です。
・今の歯の状態がわからない
・どの治療法が適切か迷っている
・治療にかけられる予算が限られているので不安
・今の自分になぜこの治療が必要なのか理解できない
「わからない」が多いほど、治療は不安になってしまうものです。
当院はインプラントに強い歯科医院ですが、インプラント以外の選択肢を否定することはないので、他の手法も含めて一緒に検討していきましょう。
インプラント手術後のリスクを減らすには?
インプラント手術が無事に成功しても、その後の回復次第でトラブルになることがあるのでは?と心配される方も多いでしょう。
ここでは、最後にインプラント手術後のリスクを減らす方法について解説します。
・手術後の検査および検診は日時を守って実施する
・医師から指示された禁止事項および留意事項を守る
・違和感があればすぐに歯科医院に相談する
インプラント手術後、特に注意して観察しなければいけないのはインプラント周囲炎の有無と骨との結合状態です。
インプラント周囲炎とは、インプラントやその周辺に磨き残しが増えてしまうことで生じる炎症のことであり、最悪の場合インプラントの脱離につながります。
天然歯のように歯根膜がないのでプラークと呼ばれる歯垢がたまりやすく、手術直後のみならず定期的に経過観察しながらチェックしていきましょう。
また、骨との結合状態をチェックしながら調整することもあるので、手術後の検査・検診は日時を守って実施することが大切です。
万が一緊急の用事ができてしまい予約日時に行けなくなった場合でも、その旨きちんと伝えて再度予約を取り直してください。
また、手術直後は食事・運動・入浴・飲酒・喫煙などに制限がかかる場合があります。
いずれも短期間かつ最小限の制限におさめますが、必ず守りましょう。
特にタバコに含まれるニコチンやタールは免疫力を弱める効果があり、手術後の感染症対策をするうえで懸念が出てきます。
インプラント体と骨の結合を阻害するだけでなく、細菌感染に弱くなってしまう恐れがあるため、しばらく禁煙するのがよいでしょう。
飲酒も腫れや炎症の原因となりやすく、ビールやソーダなどに含まれる炭酸成分が歯にダメージを与えてしまう可能性があります。
激しい運動ではなくウォーキング程度にしたり、体を温めすぎないように入浴したり、不便さを感じることがあるかもしれませんが最長でも1週間程度です。
歯や体への負担は最小限に抑え、少し安静にすることを意識するのがポイントです。
まとめ
「手術が怖い」「そこまで大掛かりな治療が必要?」と思ってしまうのは、自然なことです。
また、手術中・手術後の痛みを家族が心配したり、その後の生活に影響が出ないか不安になったりすることもあるでしょう。
不安なことがあれば、ぜひカウンセリング時にお聞かせください。
ひとつずつ対処法を考え、万全の体制で臨んでいきましょう。