歯周病の口臭は歯磨きしても消えない?
歯周病は口臭の原因の主たるものですが、歯磨きだけで解決できないとなると、一体どうすれば良いのでしょうか?
歯周病がひどい口臭を起こす原因
歯周病といっても、色々な段階のものがあります。例えば、子供や若い人に多く見られる歯周病である「歯肉炎」の場合、特に口臭の原因になることはそれほどありません。歯周病で口臭がひどくなるのは、歯を支えている骨が失われて歯周ポケットを形成する「歯周炎」という状態の場合です。
歯周炎では、歯茎のポケットが深くなり、内部に酸素が届かなくなるので、酸素が少ない環境で生育する歯周病菌が繁殖し、その歯周病菌が発する「硫化水素」や「メチルメルカプタン」といった臭い物質がひどい口臭の原因となります。これらの匂いは、卵の腐った匂いや腐った魚の匂い、といったような非常に強い匂いであり、歯周ポケットの内部から匂ってくるため、ただ歯の表面を磨いただけでは匂いが取れないのです。
歯磨きだけでは改善しない歯周病の口臭
いくら一生懸命歯磨きをしても、歯周ポケットの中まで磨くことは不可能です。しかもその上に歯石が溜まっている場合、その歯石がさらに蓋をして、より歯周病菌が活動しやすい環境になるため、よりいっそう口臭はひどくなります。
口臭改善のためのマウスウォッシュなどで一時的に匂いを誤魔化すことはできても、やはり奥から出てくる匂いというのは消すことができません。
歯周病の口臭を改善させる方法
つまり、歯周病の口臭を改善させるためには、おうちでの歯磨きだけでは不十分であり、歯科医院で定期的に歯石取りや、歯周ポケット内まで含めたクリーニングを受けることが必要不可欠です。これは、単に口臭を消す目的だけでなく、歯を健康に保つ上でも非常に重要です。
歯周ポケットが深い場合には、歯周ポケットを浅くするフラップ手術というのも効果的です。歯周ポケットが浅くなることにより、細菌がたまる場所が少なくなるため、歯磨きだけでのケアでも歯茎の健康が保ちやすくなる効果もあります。
いずれにせよ、歯周病というのは、例え軽度であっても歯科医院で定期的なケアを継続して悪化を防いでいくことが大事な病気です。そして歯周病が重度であるほど、より短い間隔でのケアをするのが理想的です。
口臭予防、歯周病の予防のためにも、定期的なケアを続けていきましょう。