骨造成治療
骨造成治療とは
日本人では多くの方に必要になる
インプラント治療の前準備
インプラント治療の前準備
失われた骨を再建するための治療を骨造成治療と言います。骨の足りない部分にご自身の骨や人工骨などの骨補填材料を用いて、骨の再生を促します。
骨が再生したら、歯の無い部分にはインプラントが埋められるようになります。歯のある部分では、一度下がってしまった歯茎が治り、外観も改善するなど、インプラント治療・歯周病治療には欠かせない技術となっています。
日本人は骨格が華奢で、骨が不十分な場合、インプラント治療を行う前に、骨造成手術が必要になります。
骨造成は素晴しい治療ですが、その治療期間の長さやリスク、得られる結果の限界から、患者様によってはしばしば合わない場合もあります。
オールオン4は、顎・歯列全体をインプラントで直す治療法で、基本的には骨造成が不要で、さらに手術当日に歯が入る画期的な治療法です。
また、選択できる全てのインプラント治療の中で、美しい外観とその長期安定が得られます。
主な骨造成治療
GBR(骨誘導再生法)
特殊な膜を用いて
インプラントの周囲に骨を再生
インプラントの周囲に骨を再生
GBR(骨誘導再生法)では、特殊な膜で骨の不足している部分を覆い、そこに人工の骨を入れることで骨の再生を促します。人工の骨は長い時間をかけて、徐々にご自身の骨に置き換わってゆきます。
骨幅が薄く、インプラントの一部が骨や歯茎から露出してしまう場合に行われることが多く、特に、前歯の治療において、長期的に美しい結果を得ようと場合にはほとんど必須となります。
また、根尖性歯周炎(歯の根の病気)により著しく骨に穴が空いてしまい、インプラントが埋められないような場合にも用いられます。
サイナススリフト(上顎洞底挙上術)
上あごの骨を広範囲に
たくさん増やす方法
たくさん増やす方法
上の奥歯部分の骨が大幅になくなっている場合、骨があっても骨の質がやわらかい場合、また歯ぎしりや食いしばりがある場合には、ソケットリフトでは成功しません。そのような場合には、一度に確実に大量の骨を作ることができるサイナスリフトの方が向いています。
サイナスリフトは、上あごの歯茎を横から切開し、その部分から上あごの骨を露出させ、骨を慎重に削り、上顎洞の粘膜が現れたところで、その粘膜を慎重に剥がして、できたスペースに移植骨を埋めて、骨を定着させます。
ソケットリフト(上顎洞底挙上術)
上あごの骨を局所的に増やす方法
上あごの場合、上方に上顎洞と呼ばれる空洞が空いている関係上、インプラントをする際に骨が足りないケースがよくあります。そのような場合に骨を増やす方法の一つがソケットリフトです。
ソケットリフトでは、インプラントを埋める穴から上顎洞の底の部分を押し上げ、そこに人工骨などの材料を入れて骨を作っていきます。
インプラントをする穴から行うので、傷口を小さくできるのが特長です。
ソケットプリザベーション
抜歯後の骨の吸収を抑える方法
抜歯をした後というのは、骨がだんだんと吸収してボリュームが少なくなってしまいます。ソケットプリザベーションは、このような骨の吸収を防止するために、抜歯した穴の中に人工骨などの材料を入れ、骨を良い状態で温存しておく方法です。
抜歯をした直後にインプラントを埋める「抜歯即時インプラントという方法」を行えば、骨の吸収をなるべく防ぐことができるのですが、何らかの理由でそれが不可能な場合にソケットプリザベーションを行うことがあります。
ソケットプリザベーションを行なっておくことで、インプラントを埋める際になるべくしっかりとした骨を作っておくことができます。
当院を選ぶべき理由
骨造成手術後の傷口は、治る過程で何らかの合併症(人工材料の露出や術後感染などのトラブル)が発生し、それに対するケアが必要となることがあります。
当院の骨造成治療では
2018年では2%、つまり50人中1人でした。それも軽微な症状で、十分な骨造成量が得られない症例(つまり失敗)は0件でした。
豊富な治療実績
経験量は成功率を左右いたします。骨造成治療は、失敗すると後が大変です。追加治療や再治療を行うことは可能ですが、多くの場合、より難易度が上がりますので、結果も妥協的になります。
つまり、ベストな結果を得られるのは事実上最初の一度きりです。ぜひ後悔の無い選択をされて下さい。
用意周到な事前準備
骨造成が日常の当院ですが、私たちにとって、骨造成が簡単というわけでは決してありません。
絶対に失敗したくないからこそ、用意周到な事前準備をしています。画像では、患者様の顎骨を3Dプリンターで出力し、手術に用いる患者様にピッタリのチタンメッシュ(チタン製の骨組)を事前に製作している所です。
一般的にはこのような事前準備を行うことはなく、手術中にその場で製作されます。ですが、時間がかかって傷口が痛む上に、できるチタンメッシュの形状は妥協的であるため、結果は明らかに劣ってしまいます。
この3Dプリンターはほんの一例です。単に数をこなすことが重要なわけでは無く、質の高い治療を確実に行うためにも、徹底した事前準備を行っています。
選び抜かれた品質の骨補填材料
世の中には多くの骨補填材料が出回っていますが、当院で選択しているのは、スイスのガイストリッヒ社の製造する世界でメジャーな骨補填材料です。この材料は、文献でも多くの使用実績と成功報告がなされている、高品質で安全性の高いものです。
医療行為は100%の成功が保証できないからこそ、材料一つ後悔の無い選択をすることが大切だと考えています。
院長は公認インストラクター
骨補填材料には様々な種類がありますが、当院ではBio-Oss(バイオオス)を用いており、世界標準の骨造成治療を提供しています。また、当院は本製品の国内使用量が多く、院長の吉岡喜久雄は公認インストラクターとして、日本中の歯科医師に対し、その正しい使い方を指導教育しています。
無菌手術室
当院の手術室は、ただの個室ではなく、病院手術室と同等の要件を備えた「本物の手術室」です。
空気中の細菌量、汚染物質量を減らす換気システムに守られており、手術中の空気感染を抑制します。
口腔外科は術後創部感染(SSI:Surgical Site Infection)のハイリスク群にカテゴライズされています。にもかかわらず、通常の外来診療室でインプラントや骨造成処置が行われている現状は、別のインプラント(人工股関節や心臓ペースメーカーなど)を病院手術室で埋込む医者らからすると、大変違和感があるようです。
当院の手術室は、歯科においては珍しく大げさに感じられるかも知れませんが、医科においては「常識」です。
私は、当院のSSIが著しく少ない要因として、人の手術技量以上に、実はこの無菌手術室の功績が大きいと考えており、密かに患者様を守ってくれていると感じています。
術後管理
正常な免疫力を持つ患者様であれば、手術後の炎症(痛み、腫れ、熱っぽい、赤らみ、その他)反応は通常発生しますが、問題はその程度です。異常なのか、正常の範囲なのかの見極めは非常に難しく、しばしば対応の遅れが事態の悪化へとつながります。
術後管理というものは骨造成手術の手技以上に困難であり、経験への依存が大きいと考えています。
当院では来院間隔、お薬の処方、清掃消毒、生活指導など、患者様の術後管理メニューを症状に合わせて調整、実践することにより、判断の遅れによる悪化を常に警戒しています。
チームワーク
手術を担当する歯科医師以外にも、口腔衛生状態を管理する歯科衛生士、他の部位を治療する勤務医、受付のスタッフまで、全員が術後管理の重要性と遅延した場合のリスクを知っていますので、涼しい顔をしているようで、内心はかなりの警戒感・緊張感を持って観察しています。
彼らの鍛えられた観察眼と俊敏な報告、その対応により、当院の治療成績は支えられています。
骨造成の対象となる患者様はとても多い一方で、施術経験豊富な歯科医師は少ないのが実情です。是非お気軽にご相談下さい。